水仙の写真いっぱい駆け足旅

2008年のウィーン学友協会黄金の間大ホールでのコーラスの演奏旅行でヨーロッパが大好きに! 駆け足の旅中心に綴ります

写真を「撮る」ことが好き^o^
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旅行では動くバスの窓から撮るのが腕の見せ所(笑)。
四角の枠に自分なりに考えて構えるのが楽しみ
思い出の昔の写真から日々の写真までアップしています

5月のスペイン旅行 1日目午前2 サグラダファミリア・内部

雷雨のため、ワクワクドキドキで期待していた塔へ上れなくなったのには随分ショックを受けたが、ここは教会…バシリカの様式の広い内部に入ったら、別のショックを受けた。


今迄見たことがないもの、それがガウディの建築なんだなぁと思う。写真では中々分って貰えないと思うが、柱とは思えない柱と天井と思えない天井…なんじゃこりゃ?!の世界

とはいえ教会なので、主祭壇がある。「しずかに」の看板があって、祈りを捧げている人も沢山。この祭壇はこれだけでもかなり派手で異形なのだが、回りがもっと普通でない形なので、地味に見える(笑)

宙に浮いた天蓋のもとにキリストが浮いているタイプの祭壇など初めて見た

その天井も宗教画ではなく、ひまわりをイメージした形

こんな柱の支え方があるのね~

この天井と柱も尋常ではない

柱の途中に光っている楕円の絵が4つあり、ルカ・マタイ・マルコ・ヨハネの福音家を表しているが、いわれないとふざけた絵にしか見えない

天井から光が降ってくるようだ

奥の螺旋階段は工事用のエレベーターの横にあるもの。観光用のものは反対側になる

「今日は入れません!」というように警備されている

どこまでも曲線が多用されている

それはメインの場所ではなくても同じだ

ステンドグラスもパッと見は綺麗なガラスが入っているだけのように見えるが、色のグラデーションがちょっと違う。北東側が青や緑を主にしていて、南西側は赤やオレンジを主にしている。生から死への象徴で、太陽の差し込み方で色が変わる。

しかも幅広のステンドグラスエリアがこれほど長く続くのも初めてみる

こんなちょっとしたおしゃれなものもある

圧倒されて、見るのに疲れたので暫く祭壇前に座ってぼーっとしていた(笑)
奥の方に、ちらっと地下聖堂が見える場所がある。この地下にガウディが眠っていて、この地下祭壇が世界遺産になっている。見学はできない。


ガウディ( 1852年ー1926年)の略歴


スペイン、カタルーニャ出身の建築家で、アール・ヌーヴォー期のバルセロナを中心に活動した。フリーメイソンのメンバーで、サグラダファミリアには、フリーメイソンのシンボルマークがある(やはり普通の人ではなかったようだ)。両親ともに同細工師の家系で、空間を駆使した設計がのもととなったと思われる。病弱だった為に身近な動植物を観察する機会には恵まれたらしい。


1878年に建築士の資格を取得したが、当時のバルセロナ建築学校校長は、ガウディについて「彼が狂人なのか天才なのかはわからない、時が明らかにするだろう」と言ったという。同年パリ万国博覧会に出展するショーケースをデザインしたことを通じて富豪エウセビオ・グエルに出会う。彼はその後40年あまりの間パトロンとしてガウディを支援し、グエル邸、コロニア・グエル教会地下聖堂、グエル公園などの設計を依頼した。


熱心なカトリック信者で次第に宗教関係の仕事に専念し、晩年は相次ぐ親族や友人の死から人とかかわらずサグラダファミリアのみにに力を注いだ。1926年6月7日、ガウディは眼鏡を家に忘れたてミサに向かった為、途中の段差に躓き転倒し路面電車に轢かれた。晩年質素な生活で身なりに気を遣わなかったため、浮浪者と間違われて手当てが遅れ、事故の3日後に73歳で息を引き取った。遺体はサグラダ・ファミリアに埋葬されている。 女性恐怖症だったらしく、終生独身であった。

この教会で果たしてホッとして落ち着けるかというとかなり疑問ではあるが、自然光と人工の光りがあふれる中で、今迄見たことがない形に囲まれる迫力はすごいものだ。
この設計の数字は、聖堂の彫刻などがほぼ人の1歩分にあたる75㎝の倍数でできていたり、彫刻の数や柱の数など聖家族を暗示する3の倍数で作られているらしい。こんなに曲線を多用した不思議な設計が、明快に数字で決められているというのも驚きだ。もっとも、出来上がれば世界で一番高い教会塔になるらしいので、力学に裏付けされなければ建たないのは当然だが…


さて、驚きの1階だけでなく見どころは地下の博物館にもある。沢山の資料があったがここでは抜粋のみ紹介する


まずはガウディの書斎の再現

建築当初の、内戦前の写真

塔の飾りの解説


飾りの模型

完成予想画

完成予定模型

晴れたら下りた螺旋階段(しつこくてすみません)

天井のひまわり

ひまわりのタイル

カタツムリ

ハチとワイヤーのデザイン

柱と展示用と壁の模型断面

断片

力学的引っ張り力の模型


ガウディの棺 ガラスの下に見えている棺の前には蝋燭の火が灯り続けているそうだ

修復作業の様子(写真)

ところで、サグラダファミリア修復には外尾悦郎さんという福岡出身の日本人の建築家が現在主任彫刻家で、25歳から66歳の今迄40年以上に渡って尽力し続けている。

彼は著書の中で「ガウディを見ていたのでは答えは出ない。ガウディが見ている方向を見て、彼のやりたかったことは何だったのかということを、もう毎日、毎時、毎分、毎秒考えている。そのためには彼と同じだけの知識、というのは不可能ですが、それに近い最低限の知識を持ち、ガウディの立っていた所に立つ。それが仕事の基本姿勢です」と語っている。


NHKで彼のドキュメントを見たが、そのエネルギーは半端ではない。たとえば1つステンドグラスの色や素材を決めるにも、どれだけの研究と試作の繰り返しが続いてどれだけの物が捨てられて、やっと本作業に至る。厳しい道のりを敢えて歩むその情熱は半端ではない。やはり芸術は凡人には分らない。ただ、一般人には理解できない領域が存在するのは確かだ。
この内部の聖堂があの外観の中にあることも不思議に思える。こうして、偉大で不思議なガウディのサグラダファミリアの探検は終わった。「これは一体何なのだ?」という探究の思いはあっても決して「好き」とは単純に言えないが、この「エネルギー」が人を魅了するのだと思う。
似たような写真ばかりになりすみません^^;。


次はバルセロナの市街地を徒歩で回る。

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